゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・ 国  会 /議院の権能および国会議員の地位 ゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜


【4】議院の権能

【4-1】議院の自律権

内部事項について、各議院が裁判所等の関与なしに自主的に決定することができるという機能の総称である。具体的には以下のとおり。

●会期前に逮捕された議員の釈放要求権
この規定については、下の国会議員の箇所で説明する(議員の不逮捕特権)。
        △
第50条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、 その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。


●議院の資格訴訟の裁判権
現に議員である者が、国会議員の資格を有しているかを争うことができる権利である。
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第55条 両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。 但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする。

「資格」とは、44条にある被選挙権の存在と兼任禁止の規定に違反していない、ということ。
公職選挙法に違反していないかなどの争訟は、裁判所が管轄する。


●役員選任権・議院規則制定権・議院懲罰権
第58条
1 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
2 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。 但し、議員を除名するには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする。

役員選任権 「役員」には、具体的には議長が挙げられているが、副議長や常任委員長も含まれると解される。
議院規則制定権 議院規則を、議院の議決のみで決めることができる。
◆法律と議院規則の優劣は
【従来の通説】議院規則の効力は法律の効力に劣る。(根拠)議院規則は一院で制定されるが、法律は両院で制定される。
【最近の有力説】議院規則の効力が法律の効力に優位する。(根拠)各議院の自立性を重んじる。
議員懲罰権 議院から国会議員に科せられる制裁であり、@戒告、A陳謝、B登院停止、C除名の4種類がある。
「院内の秩序を乱した」ことについては、国会法が「正当な理由なしに欠席を続ける」と挙げているが、これに制限されない




【4-2】国政調査権

各議院は、国政にかかわる事項について証人を喚問する等の調査することができる。
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第62条 両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、 これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

◆国政調査権を行使できる範囲とは
独立権能説; 議院の権能にかかわらず、国政全般にわたって調査が認められるとする説
補助権能説;議院のもつ機能の有効に行使するための補助的な調査が認められるとする説。

◆調査権が及ばない事項とは?
純粋な個人のプライバシーには及ばない→基本的人権の保障
行政権(犯罪捜査や独立行政委員会の活動等)にも原則として及ぶが、それぞれの特性から、すべてに及ぶわけではない。
司法権も、一般的には含まれるが、司法権の独立の要請から、調査権の及ばない場合もある。
  ⇒浦和充子事件、二重煙突事件

◆調査方法
⇒「議院における証人の宣誓および証言等に関する法律」や国会法による具体化
  調査のために、捜索、押収などの刑事訴訟方上の手続をすることは認められない(札幌高S30.8.23)



【5】国会議員の地位

国会議員は、その地位の特殊性から、以下のような権利が認められる。

●歳費を受ける権利
第49条 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。

国会議員は、議員たる活動の必要経費、またはその地位にふさわしい生活ができる程度の報酬が保障されている。
⇒一般職の国家公務員の最高の給料額より少なくない額(国会35条)
⇒より具体的な規定は、「国会議員の歳費、旅費及び手当て等に関する法律」が定めている。


●不逮捕特権
第50条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、 その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

規定の趣旨は、少数派や反対勢力が逮捕等によりむやみに抑圧されないため。

* 「逮捕」は、刑事訴訟法上のものに限られず、広く公権力による身体の拘束をさす。
* 「会期中」のみ認められ、会期の終了とともに特権はなくなり、逮捕を免れない。
   ⇒国会閉会中の委員会の継続審議は、会期にあたらない。
   ⇒参議院の緊急集会は、原則として不逮捕特権が認められる(国会100条1項)。

* 例外(会期中であっても逮捕される場合)
@院外の現行犯(国会33条)
  ⇒犯罪事実が明瞭であり、こういった場合に特権を認めることは、国会の信用の失墜にも繋がる。

A院の許諾がある場合(国会33条)
◆逮捕の請求に対して院が許諾を与えるかどうかの基準とは
A説;身体の拘束について正当な理由があり、会期終了まで逮捕を待てない場合は、院は許諾を与えなければならない。
B説;正当の理由があっても、議員の活動の重要性を理由に、院は逮捕について許諾を与えなくてもよい。

◆議員の許諾に期限や条件をつけることが認められるか
上記A説から;逮捕の許諾は、逮捕の正当性を承諾したということであり、条件や期限をつけることは認められない。
判例;「逮捕を許諾しながらその期間を制限するが如きは逮捕許諾権の本質を無視した不法な措置」である(東京地S29.3.6)
上記B説から;国会での活動の必要性に対応して、条件や期限をつけることが認められる。



●免責特権
第51条 両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。

国会議員が自由に発言し、表決をすることに法的責任を免除することで、議会政治を適性に機能させる趣旨。

* 「両議院の議員」⇒国会議院に限られ、政府委員、公述人や参考人は含まれない。
  国務大臣も、議員としてではなく、国務大臣として発言した場合には、特権は及ばないとされる

* 「議院で行った演説、討論、表決」⇒議員が本来行う職務行為が対象であり、野次や私語は含まない。
◆議員の行為は対象か。
議員が職務上行った言論活動に付随して一体不可分的に行われた行為に及ぶ(東京高S44.12.17)
◆名誉毀損発言については、平成9年9月9日の判例参照 (該当判例/裁判所のHPより)。



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