第8問
次の記述は、物権に関するある原則について述べたものである。次の1から5までの記述のうち、その内容が、判例の趣旨に照らし正しく、 かつ、この原則の帰結であるものはどれか。
「この原則の根拠は、@物の一部または物の集団の上に一つの物権を認める社会的必要ないし実益がないこと、および A物の一部または物の集団の上に一つの物権を認めるときは、その公示が困難であるか、または公示を混乱させることにある。」
AがBから受胎している馬を購入した後、その馬が子馬を生んだ場合には、その子馬の所有権は、Aに帰属する。
1筆の土地の一部は、時効取得の対象とはならない。
AがBからレストランの店舗用建物を購入した場合には、その建物内にBが備え付けていた営業用のテーブルやいすの所有権は、BからAに移転する。
装飾用ステンドガラスは、それが建物の窓として、開閉することができない状態ではめ込まれているときは、独立した所有権の客体とはならない。
樹木から分離される前の果実は、明認方法を施しても、独立した所有権の客体とはならない。

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第9問
次の第1説から第3説までは、物権的請求権のないように関する見解である。A所有の甲土地にB所有の乙自動車が駐車されていたという事例に 関する次のアからオまでの記述のうち、誤まっているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
第1説 物権的請求権は、相手方に一定の行為を請求する権利である。
第2説 物権的請求権は、原則として相手方に一定の行為を請求する権利であるが、相手方の行為によらないで目的物が相手方の支配下に 入った場合には、例外的に自らがする回復行為についての相手方の忍容を請求する権利となる。
第3説 物権的請求権は、自らがする回復行為についての相手方の忍容を請求する権利である。
Cが乙自動車を盗んで甲土地に駐車した場合において、Aが甲土地の所有権に基づく物権的請求権を行使するときは、 第1説でも第2説でも、Bに対してBの行為を請求することができる。
Cが乙自動車を盗んで甲土地に駐車した場合において、Bが乙自動車の所有権に基づく物権的請求権を行使するときは、 第2説でも第3説でも、Aに対してBの行為の忍容を請求することができるにとどまる。
Cが乙自動車を盗んで甲土地に駐車した場合には、第3説では、Bは、Cに対して、自動車の回収に要する費用について、 不法行為に基づく損害賠償請求をすることはできない。
Aが乙自動車を盗んで甲土地に駐車した場合において、Bが乙自動車の所有権に基づく物権的請求権を行使するときは、 第2説でも第3説でも、Aに対してBの行為の忍容を請求することができるにとどまる。
Bが乙自動車を甲土地に駐車した場合において、Aが甲土地の所有権に基づく物権的請求権を行使するときは、 第1説でも第2説でも、Bに対してBの行為を請求することができる。

  1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ

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第10問
Aは、B名義で登記されているB所有の甲土地につき、平成元年4月1日、所有の意思をもって、善意で、過失なく、平穏に、かつ、公然と占有を開始し、 その後も、その占有を継続している。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らしCの請求が認められないものの組合せは、 後記1から5までのうちどれか(なお、Aの占有は、次のアからオまでの各請求の時まで継続しているものとし、Cは、Aの占有につき善意であったものとする。) また、Aにつき、甲土地の取得時効が成立する場合には、Aは、取得時効を援用したものとする。)。
平成5年4月1日にBから甲土地を買い受けて同日所有権の移転の登記をしたCは、平成10年5月1日、Aに対し、所有権に基づき甲土地の明渡しを請求した。
平成5年4月1日にBから甲土地を買い受けて同日所有権の移転の登記をしたCは、平成12年5月1日、Aに対し、所有権に基づき甲土地の明渡しを請求した。
平成11年11月1日にBから甲土地の贈与を受けて同日所有権の移転の登記をしたCは、平成12年5月1日、Aに対し、所有権に基づき甲土地の 明渡しを請求した。
平成11年11月1日にBから甲土地を買い受けて同日所有権の移転の登記をしたCは、平成21年5月1日、Aに対し、所有権に基づき 甲土地の明渡しを請求した。
平成11年11月1日にBから甲土地の贈与を受けて同日所有権の移転の登記をしたCは、平成22年5月1日、Aに対し、所有権に基づき 甲土地の明渡しを請求した。

  1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ

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第11問
次の対話は、A所有の甲土地上に乙建物が存在するという事例において、Aが、所有権に基づく物権的請求権を行使して、乙建物を収去して 甲土地を明渡すよう請求する(以下本問において「建物収去土地明渡請求」という。)場合の相手方に関する教授と学生との対話である。 教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、判例の趣旨に照らし誤まっているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
教授: まず、乙建物が未登記である場合について考えてみましょう。乙建物の所有者Bが未登記のままこれをCに譲渡したとします。 この場合に、Aは、だれを建物収去土地明渡請求の相手方とすべきですか。
学生: ア 建物が未登記であるため、BもCも不完全ながら所有権を有氏、土地所有権を侵害していると考えられますので、Aは、BとCのいずれも 相手方とすることができます。
教授: 次に、乙建物の登記がされている場合について考えてみましょう。Bは、乙建物を建築して所有し、自己名義で所有権の保存の登記をした後、 乙建物をCに譲渡したが、その旨の所有権の移転の登記をせず、引き続き登記名義を保有しているとします。この場合に、Aは、B を相手方として建物収去土地明渡請求をすることができますか。
学生: イ その場合には、Bは、乙建物の譲渡による建物の所有権の喪失を主張して、 乙建物を収去して甲土地を明け渡す義務を免れることができませんから、Aは、Bを相手方とすることができます。
教授: また事例を変えてみましょう。乙建物は、Bが建築して所有しているが、C名義で所有権の保存の登記がされており、Cは、 これまで乙建物の所有権を取得したことがないとします。この場合に、Aは、Bを相手方として建物収去土地明渡請求をすることができますか。
学生: ウ 建物の実質的な所有者はBですから、Aは、Bを相手方とすることができます。
教授: その事例で、登記名義人であるCを相手方とすることはできますか。
学生 エ 乙建物の実施的な所有者がだれであるかをAが自ら調べるのは困難であるという問題がありますから、Aは、乙建物の実質的な 所有者であるBのほか、登記名義人であるCをも相手方とすることができます。
教授: では、Bが乙建物を所有し、かつ所有権の登記名義を有しているという事案で、乙建物に賃借人Dが居住しているとします。 この場合には、Aは、建物所有者であるBと建物占有者であるDのいずれを相手方として建物収去土地明渡請求をすべきですか。
学生: オ 建物収去土地明渡請求の相手方は、あくまで建物所有者であるBとすべきです。

  1 アイ   2 アエ   3 イオ   4 ウエ   5 ウオ

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第12問
共有物の分割によって公道に通じない土地を生じた場合には、その土地(以下「袋地」という。)の所有者は、民法第213条第1項に基づき、 袋地を囲んでいる他の土地のうちたの分割者の所有者(以下「残余地」という。)のみを通行することができる。次の第1説および第2説は、 袋地について同項に基づく通行権が発生した後に残余地について特定承継が生じた場合における当該通行権の消長について述べたものであるが、 次のアからオまでの記述のうち、第2説の立場から主張されるものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
第1説 民法第213条第1項に基づく通行権は、残余地について特定承継が生じた場合であっても消滅せず、袋地の所有者は、 同法第210条第1項に基づく通行権を有しない。
第2説 民法第213条第1項に基づく通行権は、残余地について特定承継が生じた場合には消滅し、袋地の所有者は、 同法第210条第1項に基づく通行権を有することになる。
無償の利用関係の受忍という負担が永久に付いてまわるというのは、近代的な土地の所有権の有り方として正当でない。
袋地を囲んでいる他の土地のうち残余地以外の土地の所有者に不測の不利益が及ぶことになるのは不合理である。
民法第213条第1項は、相隣関係に関する規定の一つとして、残余地自体に課せられた物権的負担について定めた者ものであり、 対人的な関係を定めた者ではない。
通行権の負担があることは、必ずしも外形的に明らかな事情ではない。
袋地の所有者が自己の関与しない偶然の事情によってその法的利益を奪われるのは不合理である

(参考)
第210条 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
2 (略)
第213条 分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。 この場合においては、償金を支払うことを要しない。
2 (略)

  1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 ウオ

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第13問
賃借権および地上権に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
建物の所有を目的とする土地の賃借権を有する者は、その土地の上に登記されている建物を所有するときは、その賃借権を第三者に対抗することが できるが、建物の所有を目的とする地上権を有する者は、地上権の登記をしなければ、その地上権を第三者に対抗することができない。
土地の賃借人は、特約がない限り賃貸人の承諾を得なければその賃借権を譲渡することができないが、地上権者は、特約がなくても土地の所有者の 所有者の承諾を得ないでその地上権を譲渡することができる。
土地の賃貸借は、1筆の土地の一部を目的とすることができるが、地上権は、1筆の土地の一部を目的として設定することができない。
土地の賃貸人は、特約がなくてもその土地の使用および収益に必要な修繕をする義務を負うが、地上権を設定した土地の所有者は、 特約がない限りその土地の使用および収益に必要な修繕をする義務を負わない。
土地の賃借人は、存続期間の定めがないときは、いつでも解約の申し入れをすることができるが、地代を支払うべき地上権者は、 存続期間の定めがないときであっても、地上権を放棄することができない。

  1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ

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第14問
次の発言は、AからEまでの5人が、留置権、先取特権、質権、抵当権または譲渡担保権のいずれか一つを代表して、 各担保物権の性質について述べたものである。AからEまでのうち質権を代表している者は、後記1から5までのうちどれか。 なお、複数のものが同一の担保物権を代表していることはないものとする。
Aの発言 私もBも不可分性があるけれど、私はBと違って法定担保物権だよ。
Bの発言 私もCも付従性を有しているわ。
Cの発言 私は、物上代位性がなく、Dと異なり典型担保なんだ。
Dの発言 私は、不動産に対しても設定できるよ。
Eの発言 私は、債権に対しては設定できないんだ。

  1 A   2 B   3 C   4 D   5 E

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第15問
次の対話は、動産売買に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、 判例の趣旨に照らし誤まっているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
教授: 動産の割賦販売では、代金が完済される前に売主Aは買主Bに目的動産の所有権を移転して引き渡すことになりますから、 Aとしては、どのようにして代金の支払を確保するかが重要になりますね。今日はこの問題について考えてみましょう。 まず、代金の支払を怠っているBが事情を知らない第三者Cに目的動産を転売して引渡しという事例では、Aはどのような手段をとることができますか。
学生: ア Aは、Bの債務不履行を理由として売買契約を解除することができます。この場合に、目的動産は、解除前にすでにCに転売され、引渡しも 行われていますから、Aとしては、Cから目的動産を取り戻すことはできません。
教授: ところで、動産売買の売主には目的動産についての先取特権が認められていますね。先ほどと同様に、代金の支払いを怠っているBが目的動産を Cに転売して引き渡したという事例で、転売代金が支払われていない場合、Aは、動産売買の先取特権に基づいてどのような手段をとることができますか。
学生: イ Aは、動産売買の先取特権に基づく物上代位権の行使として、目的動産の転売によりBが取得する代金債権を差押えることができます。
教授: 目的物の売買代金がすでに支払われてしまっている場合には、どうですか。
学生: ウ その場合には、物上代位権の行使としてBの代金債権を差押えることはできませんから、Aとしては、Cのところにある 目的動産に対して直接に動産売買の先取特権を行使することになります。
教授: ところで、自動車の割賦販売では、所有権留保という方法がしばしば用いられています。AB間の売買契約の目的動産が自動車であったとして、 AB完全親で代金が完済されるまで当該自動車の所有権をAに留保する旨の合意があった場合において、先ほどと同様に、代金の支払を 怠っているBが当該自動車をCに転売して引き渡したという尻エで、Aは、どのような手段をとることができますか。
学生 エ Aは、Cが当該自動車を即時取得した場合を除き、売買契約を解除して、所有権に基づきCに対して当該自動車の引渡しを請求することができます。
教授: その自動車についてA名義で道路運送者両法に基づく登録がされているとすれば、即時取得の点はどうなりますか。
学生: オ 登録されている自動車についても即時取得の規定は適用されますが、CにはBが所有権を有しないことを知らなかったことに 過失が多いと思いますので、その場合には即時取得は成立しません。

  1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 ウオ

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第16問
抵当権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤まっているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
保証人が主たる債務者に対して将来取得することがある求償債権は、抵当権の被担保債権とすることができない。
根抵当権者は、元本確定期日の定めがない限りいつでも根抵当権の元本の確定を請求することができ、元本の確定後に根抵当権の 被担保債権の全部を譲り受けた者は、当該根抵当権を実行することができる。
根抵当権者は、目的不動産の賃借人が抵当権の設定前にその賃借権につき対抗要件を備えている場合であっても、 その賃料に対して物上代位権を行使することができる。
抵当権の被担保債権のうち利息の請求権が2年分を超えた場合には、特別の登記がされない限り、債務者が元本および満期となった最後の2年分の 利息を支払ったときに、当該抵当権は消滅する。
抵当権者がその債務者の一般債権者に対して抵当権の放棄をしたときは、抵当権者は、当該一般債権者との関係では 優先弁済権を主張することができない。

  1 アエ   2 アオ   3 イウ   4 イエ   5 ウオ

  解答はこちら⇒「正解は「1」です



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