3.地役権

1 地役権とは

他人の土地を、自己の土地の便益のために利用する権利を地役権という。
地役権によって利用価値が増す土地を要役地といい、地役権を負担する方の土地を承役地という。
地役権には、通行地役権のほか、用水地役権等さまざまな種類があるが、あくまで、要役地のために存在すべきものであり、 植物植栽を目的で設定することはできない
――――図解・判例・条文等――――
通行地役権を設定した場合の例
2 地役権の性質

非排他性
地役権は物権であるが、物権の特徴たる排他性はもたない。つまり、承役地は、地役権者と承役地所有者の共同使用に服する。
また、地役権者は、物権的請求権のうち、妨害排除請求権や、妨害予防請求権を有しているが、返還請求権は認められない。土地全体の排他的な利用を する物権ではないからである。


付従性
281条2項参照


随伴性
281条1項参照
随伴性について、設定行為で別段の定めをしたときは、登記をしなければ対抗できない。


不可分性
282条参照。時効との関係は以下のとおり。
取得時効要役地が共有で、共有者一人の取得時効が完成すると、共有者全員のためにに効力が生じる
全共有者に対してしなければ、効力は生じない
共有者一人に時効停止事由があっても、その効力は、他の共有者に及ばない
消滅時効地役権が消滅時効にかかっている場合で、共有者の一人に中止・停止事由があるときは、その効力は 全員に対して生じる



3 地役権の内容

設定行為による設定
 *存続期間の定めはない(永久地役権も可)
 *無償でもよい。有償の特約は第三者に対抗できない。
 *要役地は、一筆である必要があるが、承役地と隣接していなくてもよい。
 *対抗要件は登記である。
要役地の所有権移転や地上権設定の冬季をすれば、地役権の移転登記がなくても対抗できる(T13.3.17)


時効取得による取得
 「継続かつ表現のもの」については、時効取得をすることができる。
 通行地役権については、通路の開設が要役地の所有者によってなされる必要がある(S33.2.14)


消滅時効による消滅
地役権自体、長らく使用等しなければ時効消滅してしまう場合もある。
時効の起算点;通行地役権(291条)
通路を開設しない場合(不継続)最後の通行のときから
通路を開設した場合(継続)権利の行使を妨げる事実が生じたとき

消滅時効にかかる部分;実際に行使を怠った部分のみである(293条)


工作物等の設置について
それぞれ、条文のとおりである。

286条;設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、 又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する。

287条;承役地の所有者は、いつでも、地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、これにより前条の義務を免れることができる。
281条(地役権の付従性)
地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。
地役権は、要役地の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。 ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

282条(地役権の不可分性)
土地の共有者の一人は、その持分につき、その土地のために又はその土地について存する地役権を消滅させることができない。
土地の分割又はその一部の譲渡の場合には、地役権は、その各部のために又はその各部について存する。
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要役地が共有
承役地が共有

たとえば、Bは自己の共有持分につき、地役権を消滅させることができない。
要役地を一部譲渡(分割)
承役地一部譲渡(分割)

ただし、地役権がその性質により土地の一部のみに関するときは、この限りでない。


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