|
1 所有権の性質 特定の有体物を全面的に支配する権利を所有権という。その性質は、以下のとおりである。
所有権の客体
所有権の客体は、排他的支配が可能であり、単一性・独立性を有する、特定された有体物である。
|
|||||||||||||||
|
2 所有権の限界 所有権は、ある物に対する全面的・排他的支配を可能にする権利ではあり、近代法は所有権絶対の原則 を掲げているが、これに対しても制限がある。
法令とは、具体的には以下のような法令である。都市計画法、土地区画整理法、建築基準法、道路法、下水道法、覚せい剤取締法、
農地法、森林法、文化保護法、消防法など ただし、法令の制限も合理的なものである必要がある。これについては、 「森林法違反事件」という判例がある。 クリックで、裁判所のページが別窓で表示されます。これは、森林法の規定が憲法29条2項に反しないか争われたが、結果として、違憲判決が出された。よって、1987年に改正されている。 |
|
2 相隣関係 2-1 相隣関係とは 土地や建物の所有者相互の利益を調整するために設けられた規定を相隣関係(209条〜)という。 2-2 公道に至るための通行権 他の所有者の土地に囲まれ、公道に出ることができないとき、その他の所有者の土地を、通行のために使用することができる権利がある。 民法改正前は、囲繞地通行権といった。
では、分筆された土地について、それぞれ第三者に譲渡された後も、公道に面していない土地の所有者が有する通行権を、 分割された他の土地(残余地)の所有者は負い続けなければならないのか。
★判例
残余地に特定承継が生じた場合も、213条の通行権は消滅せず、公道に面していない土地の所有者は、
残余地を通行する権利を有する。
★学説 (理由@)213条の通行権は、残余地自体に課せられた物権的権利である。 (理由A)分筆に関係ない他の土地の所有者が、自己の関与のないところで、通行権を認めなければならないとなるのは妥当ではない。
残余地に特定承継が生じた場合にも、213条の通行権は消滅しないが、無償ではなく、有償になるとする。 (理由)通行権の存在は登記により公示されるわけではない(判例)ので、残余地の特定承継人は、現地検分しても
通行権の存在を認識できない。 |
| ||||||||||||||||
2-3 234条と建築基準法65条 民法234条は、建物と建物の間を境界線から50cm以上離すように定めている。 他方、建築基準法65条は、外壁が耐火構造ならば、境界線に接して建ててもよいとしている。 両規定の関係について、以下のような見解がある。
★判例
建築基準法65条は、民法234条1項の特則である(特則説)
★有力説 つまり、差止めや損害賠償の問題は生じないということである。
建築基準法65条は、公法の規定であり、民法234条の特則ではない(非特則説)。 (批判)建築基準法65条の意味を見出せない |
| ||||||||