1.条件


1 条件とは

将来発生するかが不確実な一定の事実に、法律行為の発生または消滅をかけることを条件という。 「大学に受かったら本をあげる」などが典型例である。
  後にみる「期限」との違いは、将来の事実の発生が確実か不確実か、という点である。


条件に親しまない行為
様々な観点から、条件に親しまない行為がある。
○身分行為;婚姻、縁組、認知など身分に関わる行為
○単独行為;取消や追認などは原則不可。例外もある。


条件成就の効果
条件が成就することで、法律行為の効力が発生する場合を停止条件といい、 現に効力を有しているものを消滅させる場合を解除条件という(127条1・2項)
停止条件;大学受験に合格したら(条件)、車を買ってあげる(効果)
解除条件;就職試験に合格したら(条件)、仕送りはやめよう(効果)

停止条件も解除条件も、条件成就によって効力を発生させたり失わせたりするが、効力発生時期は、 当事者の意思表示によって修正することができる(127条3項)

127条(条件が成就した場合の効果)
停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時 以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。

条件付権利の保護
条件付法律行為で、その条件の成否が未定である間も、条件成就で利益を受ける者は、 将来得られる可能性のある法律上の利益(期待権)を持っている(判例)。
この期待権を 保護するため民法では、相手方による利益の侵害を禁止(128条)している。

期待権も1つの権利として、相続をしたり、保存したり、また担保に供したりすることができる(129条)とする。ex.所有権移転請求権保全の仮登記
この利益を相手方が侵害したときは、損害賠償責任が生じる。

条件成就によって不利益を受ける当事者に、条件の成就を故意に妨害され、その妨害によって条件が不成就となった場合は、 期待権を持つ当事者は、条件を成就したものとみなすことができる(130条)。
なお、この条文を類推適用して、条件成就により利益を受ける当事者が、不正手段を用いて条件を成就させた場合には、 条件が成就しないものとみなすことができるとしている。
130条(条件の成就の妨害)
条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、 相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。


2 条件の種類

民法上、条件は以下のように分けられており、停止条件か解除条件かで、 無効となるものもある。反対に、条件がない(無条件)と同様に考えられるものもある。

既成条件;法律行為時、すでに成否が確定していた事実を条件とすること。
*成就が確定している停止条件付法律行為→無条件
  ex.既に大学に合格しているのに、「大学に合格したら車を買ってあげる」という条件
*成就が確定している解除条件付法律行為→無効
*不成就が確定している停止条件付法律行為→無効
*不成就が確定している解除条件付法律行為→無条件
  ex.既に大学入試に落ちたのに、「大学に合格したら車を返してもらうよ」という条件

不法条件;不法行為をすること、しないことを条件とすること。
*不法行為をすることしないことを、停止条件にした法律行為→無効
  ex.「Aさんを殺したら100万円あげるよ」という条件
*不法行為をすることしないことを、解除条件にした法律行為→無効

不能条件;客観的にみて、成就が絶対不可能な条件を付すこと
*不能な停止条件を付した法律行為→無効
*不能な解除条件を付した法律行為→無条件

純粋随意条件;条件の成就を、一方の意思のみにかからせること
*成就が、債務者の意思のみにかかっている停止条件付法律行為→無効
  ex.「気が向いたらこの本をあげるよ」という停止条件付き法律行為
*成就が、債務者の意思のみにかかっている解除条件付法律行為→有効
*成就が、債権者の意思のみにかかっている停止条件付法律行為→有効
  ex.「気が向いたらあなたに借金返済の請求をするよ」という条件
*成就が、債権者の意思のみにかかっている解除条件付法律行為→有効




それぞれの条件の効力のまとめ
停止条件解除条件
既成条件成就無条件無効
不成就無効無条件
不法条件
無効無効
不能条件
無効無条件
純粋随意条件債務者無効有効
債権者有効有効



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