3.追認

1 追認の要件と効果

取消権者が、取消しうる行為を有効な行為と確定させる意思表示を追認という。

取消しうる行為を追認すると、もはや取消すことはできなくなる。法定代理人が追認した場合、制限行為能力者本人の取消権も消滅する。
なお、但書きによると「第三者の権利を害することはできない」とあるが、この但書きは無意味な規定だとされている。
取消しうる行為は、取消すまでは一応有効であり、 追認によって有効が確定するだけであるので(無効が有効となるわけではない)、追認によって第三者が害されることはないからである
――――図解・判例・条文等――――
124条(追認の要件)
追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅したにしなければ、その効力を生じない。
成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、 その了知をした後でなければ、追認をすることができない。
前二項の規定は、法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をする場合には、適用しない。



2 法定追認

取消権者が、法律で定められた一定の行為をおこなった場合、取消権を放棄して 追認したものとみなす制度を法定追認という。
前記した、「追認できるときより後」という要件は満たす必要はあるが、追認の意思は不要である。


法定追認とされる事由
法定追認とされるのは、いずれも「取消し」とは矛盾するような以下の行為である(125条)。
@全部又は一部の履行
取消権者が債務者として履行する場合だけでなく、相手方の履行を受領する場合も含む(判例)。
ただし、相手からの催告に応じなかっただけでは法定追認とはならない。
A履行の請求
取消権者がする履行の請求に限られる(判例)。相手方から履行の請求をうけても法定追認とはならない。
なお、相殺の意思表示もこれに該当し、法定追認となる。
B更改
C担保の供与
取消権者が債務者として供与した場合だけでなく、供与をうける場合も含む
D取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡
取消権者が譲渡した場合に限られる。譲渡の対抗要件の有無は、影響しない。
E強制執行
取消権者が申立てた場合に限られ、債務者として強制執行を受けた場合を含まない(判例)

成年被後見人以外は、それが取消しうる行為であることの了知は不要である。 未成年者・被保佐人・補助人が、それぞれの保護者の同意を得てなした125条所定の行為につき、法定追認は成立する。
  成年被後見人以外、取消原因を知る必要がないところが、通常の追認と異なる


なお、本条は、無権代理行為の追認には類推適用されない


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