4.復代理

1 復代理の意義

代理人が自己の責任で、さらに代理人を選任し、本人の代理をさせることを復代理という。 この代理人によって選任された代理人を復代理人とよび、 復代理人を選任する権限を復任権という。


2 復代理の選任と責任

2-1 任意代理人の場合

任意代理人は、当然には復任権をもっていない。よって、復代理人の選任が許されるのは、@本人の許諾を得たとき、 もしくは、Aやむを得ない事由があるときである(104条)。
  本人から信任された代理人が、原則として代理行為をすべきだからである

原代理人の責任
任意代理人が復代理人を選任した場合は、選任および監督につき本人に対して、責任(善感注意義務)を負う(105条1項)。

ただし、任意代理人が、本人の指名に従って復代理人を選任したときは、復代理人が不適任又は不誠実であることを知りながら、 その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったときに限り責任を負う(105条2項)。
  本人の指名に従って選任した復代理人を解任するのに、本人の同意は不要である


2-2 法定代理人の場合

法定代理人は、自由に復代理人を選任することができる(106条)。
  法定代理人の権限は、広範囲に及ぶからである

法定代理人は、本人の感知しないところで自由に復代理人を選任できる分、その全責任を過失がなくても負う。 ただし、やむを得ない事由があったときは、105条に定めた選任・監督の責任のみを負う。


2-3 任意代理と法定代理の比較

法定代理
任意代理
復任権原則;なし
例外;@やむを得ない事由がある
またはA本人の許諾を得たとき
常にあり
代理人の
責任
選任・監督上の懈怠
ただし、本人の指名に従った場合
不適任・不誠実を知りながら本人への通知を怠ったとき
全責任
ただし、やむを得ない事由があった場合
選任・監督の責任



3 復代理人の権限等

復代理人は、代理人の代理人ではなく、本人の代理人である。よって、本人と復代理人は、本人と代理人と同一の関係に立つ(107条) (本人は、復代理人の無権代理行為について追認することもできる)

ただし、その権限は、原代理権の範囲で、代理人に与えられた範囲に限られる。また、代理人の権限が消滅した場合は、復代理人の権限も消滅する。
※なお、代理人が復代理人を選任した場合、代理人の代理権が消滅するわけではない


107条(復代理人の権限等)
復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。
復代理人は、本人及び第三者に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。


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