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1 行為能力とは 単独で、確定的に有効な意思表示をなしうる能力を、行為能力という。この行為能力が低い者について、 民法は4類型に分けて保護を図っている。
なお、制限行為能力者については、親族編でさらに詳しく規定されている。これについては、後述する。2 制限行為能力者制度 2-1 未成年者 20才未満の者を未成年者という(4条)。未成年者が法律行為をするには、 原則、法定代理人の同意が必要だが、その例外を、5条と6条が定めている。 同意は事前になされる必要があり、事後の同意は追認となる。黙示・明示を問わない。
例外;未成年者が単独でできる行為
@ 単に権利を得たり、義務を免れる行為(5条1項)
負担のない贈与を受ける。債務の免除を受ける契約を締結。無償の受託者が受託物を返還する行為。選択債権について第三者として選択する。 B 法定代理人に許された営業に関する行為(6条1項) C 未成年者が婚姻をした場合(753条)。これを成年擬制という。 D 未成年者が単独でした行為について、自ら取消すこと これらの行為は、未成年者も単独ですることができるので、取消す余地はなくなる。同意を要する行為
売買、賃貸借、雇用などの契約、相続の承認・放棄、時効中断の効力を生じる債務の承認、負担付の贈与を受ける
、債務の弁済を受けるなど、左記以外の法律行為。
法定代理人
未成年者の保護者であり、原則は親権者、いなければ未成年後見人がなる。法定代理人の権能は、以下のとおり。 @代理権 未成年の代わりに法律行為をすることができる
A同意権 未成年者が法律行為をするときに同意をする権利 B取消権 未成年者が単独でした行為を取消すことができる。 |
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2-2 成年被後見人
精神上の障害により、事理弁識能力を欠く常況にあって、家庭裁判所の後見開始の審判を受けた者を、成年被後見人という(7条)。
この者は、原則、自ら法律行為をすることはできないが、
日用品の購入その他日常生活に関する行為は、単独ですることができる(9条)。
取消しも単独で可。 「能力を欠く常況」とは、通常の状態で意思能力がないことを意味し、ときどき意思能力を回復する場合も含まれる後見開始の審判には、7条に掲げられた者からの請求が必要になる(7条)。主観的・形式的要件が整ったとき、裁判所は 後見開始の審判をしなければならない。 成年後見人
家裁の職権で選任される、成年被後見人の保護者(8条)。権能は以下のとおり。
@代理権 成年被後見人の法律行為について、広範な範囲を代理できる
A取消権 成年被後見人がした法律行為を、取消すことができる。 成年後見人には、同意権はない。
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2-3 被保佐人
精神上の障害により、事理弁識能力が著しく不十分であって、家庭裁判所の保佐開始の審判を受けた者を、被保佐人という(11条)。
原則として、単独で法律行為をすることができるが、
13条1項列挙の行為については保佐人の同意が必要である。
保佐人の同意を要する行為、要しない行為
13条1項に挙げられているものは以下のとおり。
13条以外の法律行為についても、一定の者の請求で、保佐人の同意を要する旨の審判をすることができる。 保佐人
被保佐人の保護者である(12条)。権能は以下のとおり。 @代理権 審判によって付与された場合のみ(876条の4)
A同意権 被保佐人が13条1項の法律行為をするときに同意をする権利 B取消権 被保佐人が単独でした13条1項の行為を取消す権利 2-4 被補助人
精神上の障害により、事理弁識能力が不十分であって、
家庭裁判所の 補助開始の審判を受けたものを被補助人という(16条)。
原則として、単独で法律行為をすることができるが、
一定の者の請求によって、補助人に同意権付与の審判がなされた法律行為については、
補助人の同意がなければ単独で法律行為をすることはできない。 この同意権が付与される行為は、13条1項に定める行為の一部に限られる(17条1項)。 被補助人以外の者が、補助人付与の請求や、同意権付与の請求をする場合は、、被補助人の同意が必要である補助人
被補助人の保護者である。権能は以下のとおり。
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元本とは「利息や賃料などの法定果実を生じさせるもの」
*後見・保佐・補助開始審判の相互の関係(19条) ▽ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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3 制限行為能力者の相手方の保護 制限行為能力者を保護すると同時に、取引の相手も保護する必要がある。民法は以下のような規定を設けて、その調和を図っている。 第三者の保護規定はないため、制限行為能力者とその相手方の取引を信頼して、
さらに取引に入った者は、その後に法律行為が取消された場合も原則として保護されない。例外として、192条の即時取得の保護の可能性はある。
3-1 催告権
制限能力者の相手方は、制限行為能力者や、その法定代理人・保佐人・補助人に対し、
行為を取消すかどうかについて確たる返答を求めることができる。 催告したにもかかわらず、返事がなかった場合の処理
@単独で追認できる者への催告に対し、返事がなかった場合は、追認擬制
・能力者となった者への催告
A上記以外の者への催告に対し、返事がなかった場合は、取消擬制 未成年者や成年被後見人は、催告を受ける能力をもたない(98条の2)ので、これらの者への催告は無効として、追認擬制も、取消擬制も生じない(通説)。・能力を回復しない被保佐人、被補助人
B特別の方式については、取消擬制である。
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3-2 制限行為能力者の詐術 制限行為能力者が、自分が行為能力者であると相手に誤信させるための詐術を用いたときは、制限行為能力者は、取消権を失う。 詐術の意義【判例の見解】 「無能力者(制限行為能力者 )が、無能力者であることを黙秘していた場合でも、他の言動とあいまって、
相手方を誤信させ、または誤信を強めたとき」は詐術にあたるが、「単に無能力者であることを黙秘しただけでは詐術に当たらない」3-3 法定追認 これについては、後の「無効・取消・追認」で触れるが、125条規定の行為を行った場合は、
追認擬制が生じるという制度である。
3-4 取消権の短期消滅時効 これについては、後の「無効・取消・追認」で触れるが、5年間で取消権が消滅するという制度である。
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